「莉乃。」

「なに?」

「俺から離れたくなったら医者に頼んで安楽死させて。」

「…なにバカなこと言ってんの?無理だし。てゆうか、莉乃が疾風から離れられないから。」

「ごめん。まじで何言ってんだ…。」

「疾風…。」







莉乃が自分から向きを変えて俺に抱きついた。







「ごめん、ほんとめんどくさいよな。もう死なせてとか言わないから離れたくなったら言えよ?無理してなくていいから。」

「すぐそんなこと言うんだから。大丈夫だって何回言えばわかるの?」

「莉乃好き。」

「莉乃も疾風大好き。」







やっぱあんな奴忘れたい。






怖くて眠れないなんて小学生みたいなこといつまでもやってられるか。









「じゃあ、莉乃仕事行くね。」

「毎日来なくてもいいからな?無理すんな。」

「毎日来ないと落ち着かないんだもん。」

「ありがとな。あ、あと、來堵くん、もうダメそうだったら連れてきて。喝入れる。」

「ははっ!わかった!行ってきます!」









莉乃が帰ってすぐ弘さんが来た。








「いらっしゃーい。」

「脱走野郎。いい子にしてたか?」

「いい子いい子。ご褒美は?」

「んなもんあるか。きめぇ。」






容赦ないね…。






でも、みんなが忙しい合間をぬってきてくれてる事なんてバカでもわかる。







咲樹菜さんも奏汰さんも楓さんも来てくれた。






莉乃だって急がしい。






ほんとは泣きそうなくらい嬉しい。






絶対いわないけど。