……
………拓真。
やっぱりあんた凄いよ。
景くんが辞めないって聞いて、景くんがそれでどんな思いをするかなんてこれっぽっちも考えてなかったあたしが馬鹿みたい。
…景くんを引き止めるなんて、景くんにとっては迷惑だったかな…?
そんなことを思っていると、景くんが俯いたまま口を開いた。
「…私は、それでもいいんです」
景くんの……触ったら、壊れそうな不安定な声。
苦しいのを必死におさえてるような気がするのはきっと気のせいじゃない。
「…もとはと、言えば…私があの方を殺したようなものです。私が潔く人々に殺されれば、あの方は相応しい女性を見つけて幸せに暮らせたことでしょう。だけど私は、自らの欲に負けてあの方と共に生きることを望んだ…その結果、私が足手まといとなったために私を庇って……逝ってしまいました」
