あなたに映る花



「田沢!」

アイツはズカズカとあたし達のところに歩いてくる。

…なんだか、いつもと雰囲気が違う。

馬鹿っぽい空気が感じられない。

あたしは反射的に景くんを庇った。

「近づかないでよ!」

だけど田沢は歩みを止めない。

あたし達二人の前に、良太と拓真が立ち塞がった。

「…それ以上近づくんじゃねえよ」

田沢は凍りついた眼差しで良太を見る。

「…随分な歓迎だな」

馬鹿にされたと分かって、良太がカッとなる。

「何を――!」

だけど拓真がそれを押し止めた。

だけど拓真も田沢を嫌悪の眼差しで見返している。

「…取り巻きはどうしたんです?見当たらないようですが」

「今回の話を奴らに聞かせてやる義理もない。邪魔なだけだ」

そう気怠そうに言うと、再び歩を進めようとした。

すかさず良太が押し止める。

「近づくなっつってんだろ!」
「五月蝿い。黙れ」

田沢は二人を邪険に押しのけ、しゃがみ込むあたし達の前に膝を着いた。

「な、なによ!?」

あたしは裏返った声をだす。
でも田沢はあたしには目もくれず、景くんを鋭い目で見つめていた。

景くんも、刺々しい眼差しを向ける。