「……それで?一体何がどうしたっつうんだよ」
良太がため息混じりに言う。
景くんは、何にも分かってない良太を見て、言うべきかどうか迷ってるみたいだ。
あたしはそっと景くんに問い掛ける。
「斎藤、弓鶴先輩のことだよね?」
また景くんは泣き出してしまうんじゃないかと思ったけど、気丈にも小さい声だが答えてくれた。
「はい…佑先輩は、気づいてらしたんですか」
「そりゃあんだけ様子が変われば…」
あの時の景くんは普通じゃなかった。
あんなに震えて……
「どうしてあんなに怯えてたの?」
「……」
答えはない。
そんなに言いにくいことなら……
「何か酷いことされた?」
「っそんなわけありません!!!」
突然発される大きな声に、あたしの心臓は跳ね上がった。
「お、思いついただけなの!ごめん……」
「…すみません。でも、あの方は他人を無意味に傷つけたりはしません」
「知り合いなのかよ?」
良太が不思議そうに問う。
景くんは迷ったように声を出した。
「それは――」
「知り合い程度のものではないだろう」
突然後ろから声が降ってくる。
この声は――
