「あ~あ。弓鶴君が景ちゃん泣かしちゃった~」

弓鶴様に絡む間宮様。

……なんだか、顔が赤い?


「…てめえ…酒呑んだな?」

「うん」


弓鶴様は間宮様の首根っこを引っつかむと、夕霧様に突き出した。

「夕霧!こいつその辺に捨ててこい!」

「御意」

「え!?ちょ、待って待って弓鶴君!!」

容赦なく引っ張る夕霧様に、間宮様は必死で抵抗した。

「や、止めてよ!先に呑み始めちゃったのは謝るから!」

間宮様の必死な声音に、弓鶴様はチッと舌打ちをして「離せ」と夕霧様に告げた。

間宮様は衿を正してムッと唇を尖らせる。

「…けどさ、僕、あんな大仕事やったんだから、熱燗一本くらい良いじゃない。どうせ後で祝勝会やるつもりだったんでしょ?」



……祝勝会?

「何のことですか?」

私と凛が顔を見合わせながら聞くと、間宮様が不機嫌そうに答えてくれた。

「…弓鶴君を解放して、君を連れ去ったことの祝勝会」