「ちょっと!何を―」
取り巻きの一人が、割って入ろうとしたマナ先輩を羽交い締めにした。
あたしの頭が、カッと熱くなる。
「ちょっと!マナ先輩に何してんのよ!」
あたしがマナ先輩のところへ行こうとすると、マナ先輩が叫んだ。
「景くん!」
その声に、一瞬頭が冷める。
フッと振り返ると、景くんに取り巻きの手が伸びていた。
「あんたら何して――っ!」
突然、身動きが取れなくなる。
あたしも捕まったのだ。
横を見ると、良太と拓真も同じように羽交い締めにされている。
「ちょっと!離してよ!」
ジタバタするが、男はびくともしない。
景くんまで、あと数センチ――!
