峰岸は、帰って来なかった。



峰岸の乗ったシャトルは、耐熱タイルか何かの影響で、大気圏内突入の際の高熱に耐えられず…とか何とかテレビでは言ってた。




よく、わからなかった。


ただわかるのは、峰岸がそばに居ない事、もう帰って来ない事、それに対する現実感がわいてこないまま、空しくても悲しくても、張り裂けそうな胸の激痛にも…泣けないあたしだけだった。



峰岸の乗ったシャトルと一緒に、あたしの感情も心も、燃えて消滅した様に感じてた。




あたしが心を取り戻したのは、家に帰った時に、届いていた峰岸からの手紙だった。




いつものレポート用紙じゃなくて、薄いピンクの上質そうな紙に綴られた峰岸の想い…便箋にびっしりと書き詰められた、出発前の峰岸の想い……。




それを読んだ時、初めてあたしは泣いた。



泣いて泣いて泣いて…真夜中を過ぎても泣き続けた。


涙で脱水症状が起きるんじゃないかってくらいに…泣き続けた。



そして、思った。



やっぱり、峰岸が好きだ。


好きだけど……もう手が届かないと…気付いた。


強くならなきゃいけない。


そう、思った。