峰岸は、再びアメリカへと発った。




あたしは、澤村くんに全てを話して……別れた。


澤村くんは、泣いた。

泣きながら…峰岸の乗るシャトルが墜落すればいいのにって………細い声で呟いた。



あたしはそんな澤村くんの言葉を、責める事はできなかった。


荷物をまとめて、部屋を出た。


電車の中で、峰岸に手紙を書いた。




『峰岸、あたし、地元に帰るよ。
思い出が詰まった、大好きな土地に、帰るよ』





待とう。


あたしは、決めた。




峰岸を待つんだ。


追い掛けられないなら、待てばいい。

走るのがつらいなら、休めばいい。


自分の気持ちを偽る方がつらいって…あたしも、あたしに関わる誰かも…傷付けるって知った。



峰岸の代わりなんて、いない。

峰岸は、世界に一人しかいない。

あたしも、世界に一人だけだ。



あの都会で、東京で、会うはずのない…会わなかった八年の年月を越えて…確率的にはゼロに近い環境で…あたし達は再会した。



その奇跡を、信じるんだ。


あたしは、自分の気持ちを峰岸に伝えた訳じゃない。

だから、峰岸はまだ知らない。