「黒沢クンと何かあったでしょ?」

「はいっ!?」





く、く、く、黒沢ッ!?





持っていたお弁当が。

スルリと手から逃げ出しそうになる。





「な、何もない!!何もないって!!」





吃るし詰まるし焦ってるし。

それでも里佳の発したその言葉を。

一生懸命否定しようとしたけれど。

それは逆に肯定しているようなもので。

いっちとかけチャンは。

面白そうに笑いながら身を乗り出してきた。





「やっぱ“何か”あったんだ?」

「悠のヤツ、文化祭の後から機嫌いいし」

「さっきもニヤニヤしてたよな?」

「「…ひょっとして…?」」





いっちとかけチャンは。

示し合わせたかのように2人で顔を見合わせると。

これまた2人で。

私の顔を見た。