「彼女いるの?」

「ケータイ教えてよ~」

「今度遊ぼ」





接客しているはずの3人の周りには。

ウチの生徒じゃない。

文化祭に遊びに来た他校の子も含め。

ひっきりなしに女の子が絡んでいた。





…おかげさまで。

そのシワ寄せが私や里佳にまわってきてさぁ大変。

今だって黒沢は。

オレンジジュースを持っていったテーブルの女の子に絡まれてる。





…黒沢め。

この忙しいのに鼻の下伸ばし放題だし。

後でジュース奢らせてやるから覚悟しとけ!!





「…聞いてる?」

「はいッ!?」





ヤバいッ!!

今接客中だった!!





私の斜め下には。

同じ年くらいの男の子が2人。

メニューを開いたまま私を見上げてる。





「す、すみません!!もう一度よろしいですか!?」





もーッ!!

黒沢のバカッ!!

みんな黒沢のせいだッ!!





恥ずかしさに熱くなる顔を俯かせながら。

ペンを握る手に力を込めた。