「聞いたら…答えてくれるの?」





私は1歩。

黒沢の方に近づいた。





「…答えられる範囲でなら」





黒沢は。

そこから動かずに顔を逸らしたまま。





…これはなにか。

やましい話でもあるのかな?





ニヤリ。

私の悪戯心がモゾモゾと顔を出す。





さらに私は近づくと。

真下から黒沢を見上げた。





「ふーん。じゃあ、答えられない話もあるんだ?」

「誰だって言えないことの1つや2つあんだろ!!」





お前、寄りすぎ!!と。

近くに寄った私から。

黒沢は後退る。





やー、この反応。

おもしろーい!!





いっちが黒沢のことを“スカしてる”って言ってたけど。

スカしてるヤツが狼狽える姿って。

ちょっと楽しい…。





…なんて思ったとき。





グニッ。





「ゔッ!?」





両頬に痛みを感じた。