「へっ?」
「花、さっきから黒沢クンの席見すぎ」
里佳の言葉に。
ふと我に返った。
うん。
確かに黒沢の席の方は見てたけどさ…。
…ひょっとして。
私が黒沢がいないの気にしてると思ってる…?
いやいやいやいや、里佳サン!!
確かに見てました。
それは認めます。
でもその理由は違うんだって!!
そう言いたいのに。
里佳は一人で納得してしまったらしく。
「まったく、花は素直じゃないんだから」
そう言ってまた。
プリントに視線を落としてしまった。
「や、違うんだって!!」
「なにが?」
「黒沢ってなんでモテるのかなぁと思っ…て…」
そう言葉を発した時。
いつそこに来たのか。
里佳の後ろに立ってる。
ニヤニヤと笑ういっちとかけチャンに気付いた。

