「私たちが教室に戻ろうとした時に黒沢クンと会ったんだけど。“声かけんなオーラ”がすごかったんだよね」
その時の黒沢を、里佳は思い出したらしく。
「もー、怖かったぁ」と小さくつけ足した。
…それはたぶん。
いや、まぎれもなく。
昼休みの私との言い合いが原因かと…。
しかし、黒沢。
どんだけ怒ってるわけ?
私も怒ってるけどさ!!
授業もサボるとか、なにやってんの?
ふと黒沢の席に目をやると。
そこには女の子が座っていて。
何人かの女の子たちと一緒に。
隣にいるいっちとかけチャンに。
甘ったるい声で話しかけていた。
その甘ったるい声を聞いていたら。
少し前に黒沢たちが。
女の子の話を全く聞いてなかったのを思い出して。
「プ…ッ」
思わず笑ってしまった。

