昼休みも終わりそうだったし。
教室に戻ってみると。
里佳もいっちもかけチャンも。
もう教室にいて。
私の隣の黒沢の席はまだ空っぽだった。
「花ぁ、次自習だってー」
里佳の嬉しそうな言葉に黒板に目をやると。
そこには。
“5時間目 自習 プリント提出”と。
でかでかと書いてあった。
…それから。
5時間目が始まっても。
黒沢は戻ってこなかった。
いっちと席を変わってもらって。
私は里佳と自習課題のプリントを始めた。
でも。
頭に浮かぶのはさっきのムカツク黒沢ばかりで。
すごくイライラした。
「…ねぇ、花」
「なに?」
「…黒沢クンとなんかあった?」
里佳が“アレアレ”と小さく指をさした先は。
誰も座ってない黒沢の席だった。

