黒沢の言葉が。
さっきの話だってことはすぐにわかった。
「いや、あのね…」
言わなかったわけじゃない。
“黒沢とつきあってるからつきあえない”って。
そう言おうとしたら。
黒沢に口塞がれたんだよ、って。
そう伝えようとしたら。
口元をひきつらせた黒沢が。
私の言葉を遮った。
「俺とつきあってんのに。…浮気とはいい度胸じゃん」
「はぁッ!?」
思いもしなかった黒沢の言葉に。
声がひっくり返る。
浮気!?
誰が浮気したって?!
「いつ私が浮気したっていうのよ!!」
「…どーだか。俺がいなかったらしてたんじゃねぇの」
「なっ…!?」
眉間にシワを寄せ。
吐き捨てるような言葉と一緒に。
黒沢は。
フンッ、と顔をよそに向けた。

