「なんだ、今日は悠の負け?」

「うん、そうだよ」

「なら俺も頼めばよかったぁ」





中庭に移動してたかけチャンは“プッ”と笑い。

先にパンを頬張ってたいっちはブツブツ言った。





「…しかし“買い出しジャンケン”なんて。花と黒沢クンって、おもしろいこと考えるね」





クスクスと可笑しそうに笑う里佳を横目に。

私もお弁当を膝の上にのせた。





かけチャンもいっちも。

もちろん里佳も。

私たちの“ゲーム”のことは知らない。

でも。

少し前にジュース賭けてジャンケンしたとき。

黒沢が3人に。





「俺たち、これでも真剣に“買い出しジャンケン”してるから。…乱入してこないように」





と釘をさしたおかげ?で。

里佳は笑って成り行きを見守り。

かけチャンといっちは。

黒沢が負けると便乗して買ってきてもらう。

そんな毎日ができつつあった。