「楽しかったぁ!!」

「また来るか?」

「うん!!」





あれから。

多少玉が突けるようになった私と。

さっきと変わらずスマートに玉をポケットに入れていく黒沢とで。

ハンデあり、ペナルティーなし。

なんとも張り合いのない勝負をしたんだけど。

それでもスーパー初心者の私が。

黒沢に勝てるはずもなく。

惨敗。





でもすごく楽しくて。

時間はあっという間に過ぎていった。





「…そろそろ帰るか?」





斜め上から聞こえた黒沢の声に。

ポケットから取り出したケータイで時間を確認すると。

午後6時を過ぎていた。





「…だね…」






太陽が傾き始めて。

辺りがオレンジ色に染まっていく。

キレイだけど。

少し寂しくなる。

そんな色だった。