ちょっと、ちょっと!!

どうしよう!!

今、黒沢が本気でカッコよく見えちゃったよ!!

これ、ヤバいよね!?





…いや、黒沢の容姿が。

文句なしのイケメンなのは事実なんだけど。





そうじゃなくて!!





キューを構え。

真っ直ぐに手玉と狙い玉とを見据えるあの表情。

カコン、カコンと軽い音をたててポケットに吸い込ませる玉を突く姿勢。

キレイでスマートで。

ホントにカッコよかった。





「今だけは黒沢の周りに群がってた女子の気持ちがわかるわ…」

「…なんだそりゃ」





うんうん、と腕を組み頷きながら。

ため息混じりに私が吐いた言葉に。

“意味がわからん”と言わんばかりに。

黒沢は訝しげに首を傾げた。