Penalty★Game


「…なぁ、花チャン」

「な、なに…?」





なんだかとっても。

イヤな予感がする。



黒沢のこのわざとらしい笑顔の裏には。

なにかある。





そして。

そのイヤな予感は外さなかった。





「勝負しようぜ」





前を歩く3人に聞こえないようにか。

黒沢は私と顔の位置を合わせて言った。





…近い近い近いッ!!





横を向けば黒沢の顔。

これはいくらなんでも近すぎる…っ!!





しつこいかもしれないけど。

黒沢は、中身腹黒でも。

見た目は半端ないイケメンなんだ。

現に帰り道の今だって、チラチラ見てる人が…。

そんな顔にこんな近寄られたら。

私の方がどうにかなってしまいそうだ。





熱くなってくる顔に気付かれたくなくて。

真横にある黒沢の顔を“グイッ”と向こうに押しやった。