Penalty★Game


「黒沢のバカッ!!アホッ!!」





学校を出てすぐ。

私は隣を歩く黒沢に文句を言った。





入学して2日め。

まだ里佳や黒沢たち以外と話してないこの状況で。

なんてことを言ってくれちゃったんだ、このおバカサンはっ!!



黒沢は気付いてないかも知れないけど。

アンタがしたことで。

私はかなり睨まれてるんだから!!





私たちが教室を出るときのあの視線。

痛いわ突き刺さるわで。

どうしていいのかわからなくなったぐらいなんだから!!

明日からの私のフツーの生活を返してぇ…。





文句を言われた本人、黒沢は。

全く、なにも。

何事もなかったかのように。

さっきまでと変わらず言葉を発した。





「…んだよ。俺は真実を言っただけじゃん」

「それは…」

「…はっきり言わなきゃ“あーゆーの”はわかんねぇんだよ」





…その一言で。

“黒沢の過去”がわかったような気がした。