Penalty★Game


いや、帰りますよ?

言われなくても帰りますけどっ!!

アナタが私の目の前にいるせいで。

周りの視線が痛いんだってば!!





品定めするような視線の中。

場違いのような甘ったるい音が。

私の耳を通った。





「…黒沢ク-ン。話したいコトがあるから、一緒に帰ろ?」





それは。

黒沢の一番近くにいた巻き髪の子。

私の存在なんてまるで無視。

わざとらしいくらいの上目遣いをして。

黒沢の腕に自身の腕を絡ませようとした。





それと同時。

黒沢はその腕をスルリと抜いて。





グイッ。



「…わ…ッ?!」





いきなり黒沢は私の肩を抱き寄せた。

そして。





「俺、彼女いるから」





薄らと眉間にシワを寄せて。

周りにも聞こえるようにそう言った。