Penalty★Game


途端。

黒沢たちに向いていた視線が。

一斉に私の方に向いた。





「黒沢クン今、名前で呼んだよね?」

「なに、あの子」





黒沢たちの周りにいた女生徒が騒ぎ出す。





ひぃーっ!!

やめて、やめてっ!!

その怖い視線!!

黒沢もなんで今、名前で呼ぶかなあっ!!

バカ、アホッ!!

空気読め!!





「花ー?行くよぉ…ッ!?」





自分のバッグを持った里佳が。

この異様な空気に気付いて立ち止まった。





後から近寄ってきた里佳でさえ気付いたこの空気。

それをこの3人が気付かないはずがない。





なのに。





「腹減ったし。なんか食ってく?」

「ほら、相原サンも帰るよ」





いっちもかけチャンも。

何事もないかのように里佳に声をかけて。

黒沢は。





「…帰んねぇの?」





そう言って。

私の目の前に立っていた。