「3人とも東中なんだぁ?」
「元々友達なのぉ?」
そんなとき。
教室後ろから聞こえてきた甘ったるい音。
「…花の幼なじみたちはモテますなぁ」
里佳が“チラリ”と後ろを向くのと一緒に私も振り向くと。
女生徒数人に囲まれてる中心に。
いっち、かけチャン、黒沢がいるのが見えた。
かけチャンと黒沢に挟まれた私の席。
最初は里佳と私の席で話してたんだけと。
いつの間にか女生徒に囲まれ。
「邪魔」と言われんばかりの鋭い視線を飛ばされた。
それを無視できるほど図太い神経を持ち合わせているはずもなく…。
コッソリその輪を抜け出し。
里佳の席に避難してきた、というわけ。
「あ、黒沢クンは“幼なじみ”じゃなくて“彼氏”かぁ」
「…やめてクダサイ」
ニヤニヤする里佳の視線が痛くて。
思わずため息を吐いた。

