この日はオリエンテーション。

クラスでの自己紹介や各委員決め。

特別教室の場所の確認。

…などなど。

とりあえず“いろんな説明”ってヤツで一日が終わる。





その間。

黒沢とかけチャンはこっそりケータイいじってて。

たまに目配せしたり。

吹き出しそうになってたり。

いっちが振り向いたりしてたから。

3人でメールしてたんだろうと。

簡単に予想ができた。





「…じゃあ今日はこれで終わり。明日から通常授業になるから、時間割り通りに用意するようになー」





終了を告げるチャイムが鳴り響くと。

教壇に立つ先生が声を張り上げた。





…と、同時に。

帰り支度をする人や友達とおしゃべりする人で、教室内が騒がしくなった。





「一番前つまんないーっ!!」

「そのうち席替えするよ…」

「早くしたいーっ!!」





一番前は相当つまらないのか。

里佳が深いため息を吐いた。