Penalty★Game


「気をつけてねー」





ニコニコと。

見たこともないような笑顔で見送ってくれるお母さん。





「行ってきます」

「…行ってきます」





外面もよく、爽やかな笑顔を返す黒沢に。

あまりテンションの上がらない私。





だってさ。

黒沢、部屋まで来ちゃったし。

そこから髪を巻くのもなんか気まずいじゃない?

「気合い入ってんな」なんて言われそうだし。

とりあえず、髪は緩く纏め上げるだけにしたけれど。

思うようにいかなくて、スッキリしない。





「…なにブスッたれてんだよ」

「別にぃ」

「なんもないって顔してねぇじゃん」

「なんでもないってば」





黒沢にはわからない。

【可愛く見られたい】っていう女心は。