いやいやいやいや、黒沢クン。
それは独り言なの。
たまたま聞いてた黒沢が気にすることじゃないんだってば。
その前に。
離れようよ。
そんな近付いてするような話じゃないし、ね?
「ひ、独り言だから…」
「独り言でも自分の名前が出れば気になるだろー?」
「でも…」
言えるわけないじゃない。
だって。
それは。
私が黒沢のことを考えてたって。
本人に言ってしまうことになるんだから。
「…言わないなら、無理矢理言わすけど」
「えッ!?」
ボソッと黒沢が呟いた言葉は。
色をつけるなら、やっぱり黒。
真っ黒。
思わず真横にある黒沢を見てしまうような。
背中に悪寒が走るような言葉だった。

