「なにすんのッ!?」
この間といい昼休みといい。
コイツ、なんで勝手にキスするの!?
セクハラだよ、セクハラ!!
口からは文句しか出てこない。
でも熱くなった身体を誤魔化すことはどうにもできなくて。
黒沢と目を合わせるのが恥ずかしくて目を逸らした。
逸らしたのに。
それでも視界の端に入ってる黒沢が。
「それがなにか?」と言わんばかりに言葉を発した。
「キスしただけですケド?」
黒沢からのキスはこれが初めてじゃない。
でも。
なんでされるのかわからない。
「なんでするのッ!?」
「…したかったから?」
「なにそれ!!」
「言葉そのまんま?」
ハハッと軽く笑った黒沢は。
若干イラついた私のことなんて気にもせずに言葉を続けた。
「花、勝負しようぜ」

