なんなのよ!!

約束なんてしてないし。

私は里佳に買い物行こうって誘われてたんだからね!!

いくら(仮)彼氏だからって。

なんで黒沢の言うことばっかり聞いてなきゃならないの!?





「怒ってんの?」





私がそんな風に心の中でぶすったれていることを察したのか。

黒沢が私の斜め上から言った。





えーえー、怒ってますとも。

アナタの身勝手さには怒りを通り越して呆れてますよ。

だいたい先約ってなに?

私、アナタと何か約束してましたっけ?






言葉には出さず。

無言で黒沢を見上げた私。





ほんの数秒目が合った後。

黒沢はパチパチっと2、3回まばたきをして。

「…ハァ」と。

大袈裟なくらいのため息を吐いた。