なにコイツ!!
本気でムカツクんですけど!!
思わず拳を握りかけた時。
さっきまでの空気を一蹴するかのように。
黒沢が笑った。
そして。
テーブルに置かれたオレンジジュースのグラスに手を伸ばした。
「今度は俺のワイシャツ着て誘って」
「はぁッ!?」
バカでしょ!?
頭、沸いちゃってるよコイツ。
なんで私が黒沢のワイシャツなんか着なきゃならないんだ!!
「バカじゃな…ッ!?」
黒沢の頭の沸いた言葉に。
文句を言おうとした私の声は。
黒沢の唇によって塞がれてしまった。
「なにすん…ッ!?」
「明日から楽しみだー」
「意味わかんない!!」
「じゃーな、花」
「ちょっと、黒沢ッ!?」
するだけして。
言うだけ言って。
黒沢はヒラヒラと手を振って部屋から出ていった。

