どう見ても私には。
黒沢のその笑いが黒いオーラを纏っているようにしか見えなかった。
「き…着るからあっち向いててよッ!!」
「減るモンじゃねぇだろ?」
「いーからッ!!」
私は。
黒沢の真っ黒い笑顔に背を向け。
ワイシャツのボタンを留め。
手近なとこにあった部屋着のハーフバンツを履い
た。
怖かった。
黒沢の何かを狙っているような強い瞳に。
吸い込まれてしまうんじゃないかって。
あのまま。
目を合わせてたらやられてたかもしれない…。
ゾクリ、と。
背中に感じた悪寒を振り払うように首を振ったその時。
コンコン、とドアをノックする音がした。

