「痛ッ!!」
「いーかげんなんか着ろっつーの」
いやいや。
アナタが変なコトするから着れなかったんでしょ!?
私が好きでこんなカッコしてるような言い方しないでよ!!
「あのねぇ…ッ!?」
「いつまでもそんなカッコでいたら…」
一言、文句を言ってやろうとした私の声と。
黒沢の声が重なった。
「え、今…」
“何て言ったの?”
そう続けようとした私の声は。
黒沢の声に掻き消された。
「今度は逃がしてやんねぇからな」
目の前にある黒沢の顔は。
目を細めて意地悪そうに笑ってる。
でも。
私には笑っているようには見えなかった。

