そーだ!!
私、着替えの途中だった!!
身の危険を察知した私は。
慌ててワイシャツの胸元を手繰り寄せた。
でも黒沢はそんなのお構い無し。
さっきと変わらず口元を緩ませたまま。
「誘われんのもキライじゃないデスけどね」
「誘ってないし!!バカでしょ!?」
「あー、はいはい」
黒沢はそう言うと。
ベッドからゆっくり腰を上げ。
なぜかゆっくり近付いてきた。
ちょっ…!!
なんでこっちに来るのよッ!!
こうなってくると、もうイヤな予感しかしない。
私は黒沢と距離をとろうと後退った。
…が、時すでに遅し。
私の顔の横には黒沢の腕。
目の前には黒沢の顔。
黒沢は意地悪そうに目を細め。
数時間前のように。
薄めの唇がゆっくりと近付いてきた。

