な、な、なッ!?
「なんで黒沢ッ!?」
「なんだ、元気そうじゃん」
部屋に入ってきた黒沢は。
躊躇することもなく。
ベッドの端に腰を下ろした。
「何しに来たの!?」
「…バッグ、置きっぱだったから持ってきたんですケド?」
それがなにか?
とでも言いたそうな黒沢は。
クローゼットの前に立っている私に視線を合わせた。
そして。
口元を緩ませ言った。
「誘ってんの?」
はぁ!?
そんなわけないじゃん!!
なんで私が黒沢のコト誘わなきゃならないわけ!?
頭、沸いちゃってんのか!?
「あのねぇ…ッ!?」
その時。
視界の隅に入ったもの。
それは。
鏡に写った自分の姿。
ワイシャツ1枚だけを身に付けた。
しかもそれがはだけてる。
そんな自分の姿だった。

