C棟1階の事務室に併設された外来窓口にその奇妙な客が来たのは、同じ日の午後でした。


頭は染色の下手な金髪のリーゼントで、口元とあごに髭をはやし、ダークグレーのスーツに趣味の悪いネクタイをしています。
その来客は窓口で竜野先生を呼び出してもらうよう頼んでいましたが、事務員の女性は不審の目でその男性を眺めるばかりです。