偽りの my lover

 




「あ、俺家まで送るよ?」

「いや、そんな迷惑だよ!」




遠慮する涼宮さんを

結局送ることになった俺。


だけど家までじゃなくて

校門までっていう、

ほんの、ちょっと。


送るって言わねえよな。




「どうして泣いてたの?」




俺の隣で響いてた足音が

その言葉を境にして止まった。


そんなの、知ってた。


泣いてる理由なんて、

きっと俺のクラスなら誰でも分かる。