偽りの my lover

 




「あ、後藤くん」

「…よ」




とりあえず周りに誰もいないのを

ちゃんと確認すると

俺は涼宮の前の席に座って頬杖をついた。




「あの…後藤くん、田中さん達に
色々と遊び誘われてたみたいだけど
あたしなんかといてもいいの?」




少し申し訳なさそうに俺を見る涼宮。


前髪の間からチラッと見える

上目遣いの目が

俺の胸を軽く跳ねさせた。




「あいつらとはいつも一緒だからね。
それに"あたしなんか"じゃないよ?
涼宮さんと話すの楽しいけど?」




俺がそう言うと涼宮は

"え、や、あの…ありがとう"と呟いて

頬を赤くしながら俯いた。