20XX年11月16日
「どしたのその顔。」
会う人会う人に言われる言葉。
「兄貴と喧嘩して殴られたー」
「まじか!兄貴怖ぇ(笑)」
「もー仲直りしたけどね。」
10回はこの会話しましたよ。
みんなの中で貴央めちゃくちゃ怖いお兄ちゃんになってるわ。
ごめんね貴央。
体育の時、体中の痣酷いからシャワールームに隠れて着替えてた。
「なぁ、琉生ー」
なんの前触れもなく万里弥にカーテン開けられて、まじびびった。
慌ててシャツ羽織ったけど、万里弥めっちゃビックリした顔してて、閉めてくれると思ったのにシャワールームの中入って来やがった。
狭い狭い近い近い!
追い出そうとしたら逆に追い詰められて、シャツ取られた。
「ちょ、まり……っ」
「なに、この痣。」
横には万里弥の腕、後ろは壁、俺に逃げ場無い。
なに、このシチュエーション(笑)
「まさかと思うけど他校生と喧嘩なんか…」
「してねぇよ!」
そんな部活に迷惑かけるようなことは絶対にしないっつーの。
「………だよな。」
「貴央と喧嘩したって言ったじゃん。」
「………本当に?」
着替え再開しようとしたら腕掴まれた。
いや、寒いから服着させてよ。
「お前、何か隠してねぇ?」
「…顔近ぇよ。」
鼻頭かすりそうな距離。
動いたらキスしちまうぞ。
「誤魔化すな。」
いつもより低い万里弥の声。
なに怒ってんだよ。
不意に万里弥の手が伸びてきて、無意識に体がビクッてなった。
あ、ヤバい。
めっちゃ体震えんだけど。
万里弥びっくりしてるし。
「柴崎ー、工藤ー、なにしてんの?」
別のクラスメートがカーテンを開けようとしたら、万里弥が制した。
「悪い、大丈夫だから先行ってて。」
「おー、早く来ないと遅刻すんぞ。」
みんな出て行ったんだろうか静かになった更衣室。
「ごめん、琉生。……保健室行く?」
「……へーき、早く行かねぇと遅刻すんぞ。」
あの先生、遅刻したらグランド10周走らせんだよ。
結局、遅刻したけど。
しかも、たまたま顧問が通って、「20周走らせてください。」って言って去って行った。
まじ鬼顧問…!!!
ちゃんと走ったよ、20周。
サボった方が良かったぜー。くそう。


