村はひっそりと静まり返っていた。 人っ子一人、歩いていない。 いつも、元気に走り回っている子供達も 人の良い村長も 井戸端会議をする奥さん達も。 死んだように静かな村に、私は戸惑うばかり。 「―――砂雪、か?」 背後で声がした。 聞き慣れた低い声。 振り返れば、見慣れていた筈の顔。 「和成(カズナリ)……」