桜、月夜、愛おもい。



固まっている私を見て、凛桜はおかしそうに笑う。


「変な顔ー」

「え?は?どういうこと?」

「ん?奈津は変な顔の意味知らないの?奈津今、こんな顔してるよ?」

「いや。私が言ってるのはそこじゃなくて…」


‘どういうこと’を違う意味で受け取ってしまったらしい凛桜は、口をまぁるく開けて目を見開いて、見事に私の顔真似をして見せた。

私はそれを否定する。



「あははっ。分かってるって~。僕は奈津の心がよめるんだから」


……からかったなコイツ。


ムッときたので睨んでやる。

凛桜はまた笑った。



(コイツ…。少しS入ってる?)



楽しそうに笑う凛桜を見ながら、私はそう思った。