桜、月夜、愛おもい。



咲菜は「馬鹿じゃない?」と言って顔をしかめた。



「で、どうする?行くの?」


その質問に、私は身体を強張らせた。





会いには…行きたい。



でも、折れてしまった凛桜を、私は絶対に黙って見れない。





もし凛桜が、そこにいなかったら?

ボロボロになった桜の木だけが残されていたら?




凛桜があそこで待っていてくれなかったら、私は正気じゃいられないだろう。





「いないとは限らないわ」



不意に、咲菜が言った。