桜、月夜、愛おもい。



桜の精が、案外腹黒いヤツだと判明。

私が黙っていると、桜の精は更に攻めてくる。



「その前は買い食いしてたし」

「げっ」

「よくここで学校サボってるし」

「うっ」

「学校の備品とか盗ってきてるみたいですし」

「なっ」


言葉に詰まる私を、桜の精は楽しそうに見つめる。

てか、学校の備品は盗ったんじゃなく間違えて持って来ただけだっつーの。
人を泥棒みたいに言いやがって…。



「悪い子ですねー。奈津さんは」


まるで小さな子供に言うみたいに、優しい声色で囁く桜の精。


そして一言。



「僕は凛桜(リオ)です。よろしくお願いしますね?奈津さん」



優しく甘い声で囁いた。