「じゃあ何で泣いてるの?好きな人と関係あるの?」
「………」
咲菜の言葉を、否定することが出来なかった。
咲菜は親友だし、鋭いから、好きな人がいることは、いつかばれるとは思っていた。
ううん。それよりも私は、咲菜にばれてもらいたかったんだ。
一人で抱え込むのは、私にはすごく重くて酷なことだから。
誰にも言えない秘密を、分かって相談にのってくれる人がほしかった。
そしてそれは、他の誰でもない、私の親友咲菜だと、きっと私は決めていた。
咲菜はいつでも、私の味方で、間違ったことは言わないから。
「奈津、言って。聞いてあげる」
咲菜が私の頭を撫でた。


