桜、月夜、愛おもい。


痛む頭をさすりながら、思いっきり咲菜を睨んでやる。


咲菜は私を無視して、本棚に並べてあった漫画を読み始めた。

ちなみに許可なしで。



「お前もう帰れ」


シッシッと手を振る。

咲菜は、私をチラリと見てやっぱり無視した。



「咲菜さ、台風くるよ?帰んなくていいの?だいたい何で今日来たの?」


遠回しに帰れと言いながら、私は言う。微かな溜め息もつけて。



「疑問符が多い」

「いや、質問に答えようよ」