「僕は桜の精です!ただの精!」
精にただのってつけると、何か不自然だ。
でも言わないことにした。面倒だから。
「精とかって、普通女の子じゃないの?」
「それは偏見ですねー」
「だって漫画とかでもそうだし」
「奈津さんは漫画とかに影響されやすいんですか?」
「いや、そう言うわけじゃ…。読むけど。てか知ってるんだ、漫画」
そっか。
まぁ男でもこんだけ綺麗ならアリよね。
「信じてくれるんですね?」
桜の精はにっこり微笑んだ。
私は小さく頷いて「一応ね」と呟く。
「じゃあ、友達になってくれます?」
たぶん、今私すっごい顔しかめてる。
「それとこれとは話が別でしょ?」
「え~?一緒ですよ。奈津さんは僕が自分を桜の精だって嘘吐く変態だから嫌だったんでしょ?本当のことだったじゃないですか」


