桜、月夜、愛おもい。



「奈津、おはよう」



学校に着いたら、咲菜が走って来た。

後ろには静谷先輩。



「おはよう咲菜!」


いつもの癖で、先輩は無視した。



「ちょっと!奈津ちゃん?俺に挨拶はー?」

「あっ!ごめんなさい先輩。気付かなくて」


嘘だけど。



「そんなことより!」


咲菜が先輩の腕を掴んで引っ張った。

先輩はバランスを崩してこけた。


「私と先輩、付き合うことになったの!」



……………やっとか。



「咲菜、痛い」

「何やってるんですか先輩。早く立ってください」



咲菜、好きな人にくらいもうちょっと優しくすればいいのに。