桜、月夜、愛おもい。



むーっと睨んでくる凛桜に、一応謝罪して、私は乱れた息を整えた。



「で?どうなのさ?仲直りしたの?」


まだ少し不機嫌な声色で、凛桜が言う。

私は首を振った。
横に。


「奈津…これ」

「ん?」


凛桜は遠慮がちに何かを差し出した。

黙ってそれを受け取る。



「…手紙?」


それは、リビングにあったものと同じ、真っ白な封筒の手紙だった。


「奈津が落としたやつ」


私はそれを恐る恐る開く。



中には真っ白な便箋。


私が読んだ一枚と。



「もう一枚?」



ぴったり重なっていて気付かなかった。



私は小さく深呼吸して、並んだ字を読んだ。