桜、月夜、愛おもい。




私は走った。


一生懸命走った。



(…明菜さん!)





『奈津へ

ごめんなさい。

もう奈津を苦しめたくないの。
勝手でごめんね?
でも、私が奈津にしてきたことは決して許されることじゃないの。
奈津が一番よく分かるでしょう。

お金のことや家のことなら心配しないで。
貯金はあるし、家は私の兄に頼むから。
兄はとても優しい人だから、安心してね。


今まで辛い思いさせて、本当にごめんなさい。』





「…っ…!!明菜さん!!!」



私は走った。