咲菜と別れた後、私は真っ直ぐ桜の木へ向かった。 これは今までと何も変わらない。 だって、毎日行ってたから。 それに、一週間前からそこで待ってる人が加わっただけ。 話相手が隣りに出来ただけ。 それでも、少しだけ楽しみになるのは、勘違いじゃない。 足取りがほんの少し、軽い気がする。 「凛桜ー。来たよ」 私は桜の木に呼び掛けた。