桜、月夜、愛おもい。




「ただいまーっ」

「お母さん、おかえり」


お昼を食べ終わってしばらくして、お母さんが帰って来た。

お腹いっぱいになって眠くなったのか、美樹ちゃんはスヤスヤと寝息を立ててお昼寝中。

凛桜はさっき、公園に帰した。


「あら、美樹ちゃん寝ちゃったの?」


荷物をテーブルに置きながら、お母さんがソファーに寝転ぶ美樹ちゃんを見て言う。

私は頷いて、ずれたタオルケットをかけ直した。


「ねぇ、お母さん。悪いんだけど、ちょっと美樹ちゃん見ててくれない?行きたいとこがあるの」


お母さんは、結んだ髪をほどいて手櫛で整える。

私を見て、「もちろん!任せて」と笑って言った。