桜、月夜、愛おもい。



「すいません。あと一枚と…こっちでも撮ってください」


今度は、私と凛桜だけ、二人で。


撮ってくれてる男の人は、一瞬怪訝そうな顔をした。


「?どうかしたんですか?」

「あ、いえ。撮りますよー」


カシャッと言う音がして、十秒ほど後に、もう一度「撮りますよ」と男の人が言って、軽快な機械音が鳴る。

ケータイを受け取って、お礼を言った。



「お姉ちゃーん!帰ろ!」


撮った写真を見ようとケータイを開きかけたけど、美樹ちゃんの声にそれを止める。


「うん。そうだね」


家に帰ってから見よう。


私は美樹ちゃんと凛桜の元へ駆け寄った。